ネットワーク層のプロトコル IP
ネットワークの分割等で生じた複数の異なるネットワーク間の通信を可能にする仕組み
IPでは「データグラム」というIPパケットでやり取りを行う。
ルーティング(IPパケットを伝送する処理のこと)はルータを介してIPアドレスに基づいて実行される
IPv4
IPアドレスは32ビットの2進数で記述
8ビット毎に4つに分け、10進数で表記する (0~255)
例 11.136.255.10
世界で唯一のアドレスとなるようIANA(Internet Assigned Numbers Authority)が一括管理する
IPv4アドレスは全てNIR(国別インターネットレジストリ)に割当完了したため、以後は既存のIPv4をより効率的に運用するか、IPv6を受け入れるネットワークを構築する必要がある。
「ネットワークアドレス」コンピュータの所属するネットワークを示す
「ホストアドレス」そのネットワークに接続されたコンピュータを識別する
同一のネットワークに所属するコンピュータのネットワークアドレスは、全て同一に、
同一のネッsトワークに所属するコンピュータのホストアドレスは、全て異なる必要がある
<サブネットマスクの表現方法>
① 172. 128. 255. 7 /24
② 172. 128. 255. 7 サブネットマスク255. 255. 255. 0
グローバルアドレス
直接インターネットに接続できる世界唯一のIPアドレス
プライベートアドレス
LAN内のみで使用する自由に(下記の範囲内で)設定可能なIPアドレス
10.0.0.0~10.255.255.255
172.16.0.0~172.31.255.255
192.168.0.0~192.168.255.255
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)
動的にIPアドレスを割り振る仕組み
クライアントはDHCPサーバに対してMACアドレスを通知し、動的にIPアドレスの付加を受ける
プラグアンドプレイで、コンピュータをネットワークに接続することでDNSサーバアドレスやルーター情報を受け取ることで容易に設定・接続が完了する
NAT(Network Address Translation)
複数のプライベートアドレスからも外部インターネットへ接続できる仕組み
NATはルータに実装される。
パケットの送信元IPアドレスをプライベートアドレスからグローバルアドレスへ変換する
固定的に変換するものを静的NAT、接続状況に応じて変換するものを動的NATと呼ぶ。
割り当てられたグローバルアドレスの数分のみ外部インターネットへ接続できる
NAPT(Network Address Port Translation)
(=IPマスカレード)
複数のコンピュータが重ならないようポートを変換するので、
同時に複数のコンピュータでインターネットへ接続できる。
IPパケットの構成
ヘッダ部+データ部
→ヘッダ部…宛先アドレス、送信元アドレス、IPバージョン、パケット全体データ長、
IPパケットの有効時間(TTL)、プロトコル番号等
IPv6
128ビットの2進数 3.4×10の38乗個のIPアドレスが使用可能
4桁の16進数×8フィールド
fe80: 0000: 6914: 0000: 690d: ae59: 1234: 5432
グローバルユニキャストアドレス
IPv6を用いて通信する際に使用するIPアドレス
グローバルルーティングプレフィックス (48ビット) | インターフェイスID (64ビット) |
タイプ | RIR | ISP | 企業組織 | サブネット |
0 16 23 32 48 64
IPアドレスの自動設定
NDP (Neighbor Discovery Protocol)
ステートレス自動設定…ルータからデフォルトゲートウェイ等の情報を取得する
DHCP v6
ステートフル自動設定…多くのネットワーク情報を取得する
ルーティング
直接ルーティング
送出されたIPアドレスの宛先IPアドレスが
→同一ネットワークであれば、直接コンピュータへ送出する
→異なるネットワークであった場合は、宛先ネットワークのルータ(デフォルトゲートウェイ)にIPパケットを送る。ルータは、IPパケットから宛先アドレスを読み取り、ルータに直接接続されている他のサブネットの中に該当があるか調査する。
→ある場合は、そのコンピュータにIPパケットを送出する
→ない場合は、宛先コンピュータに近いルータにIPパケットを送出する
この一連の流れを繰り返すことで、IPパケットが宛先に届けられる
ルーティングテーブル
該当するIPアドレスへIPパケットを送出するために、どのルータに送ればいいかをルータが判断するデータベースのこと
ネットワーク管理者が手作業で設定・管理する…スタティックルーティング
ルータ同士が自動的に情報を交換し合い設定する…ダイナミックルーティング
ダイナミックルーティングの代表的なプロトコル
RIP (Routing Information Protocol)
同一ネットワークで使用(IGP: Interior Gateway Protocol)
UDPのブロードキャストパケットを利用し、30秒に1回、隣接ルータ同士で経路情報を交換する。
ディスタンスベクタ型である…経由するルータの数(ホップ数)を最小にする
OSPF (Open Shortest Path First)
同一ネットワークで使用(IGP: Interior Gateway Protocol)
リンクステート型…各ルータがエリア内の全リンク状態を把握し、エリア内の最適な経路を決定する
IPマルチキャストを用いる。クラスレスIPアドレスに対応
BGP(Border Gateway protocol)
異なるネットワークで使用(EGP: Exterior Gateway Protocol)
隣接ルータとの経路情報交換にTCPを用いて、差分情報だけをやり取りする仕組みである。